昨日に続いて今日はまさに春爛漫!
最高のお花見日よりであった。
青空の下、春風に舞う桜が美しい。
花吹雪である。
この光景に出会うと必ずといっていい程思い浮かべる詩がある。
三好達治の「甃(いし)のうえ」という詩である。
高校生の時に授業でこの詩に出会った。
詠んだ瞬間、何ともいえない感動を覚えた。
多感な頃だったからだろうか、私にとっては衝動的ですらあった。
以来、三好達治ファンである。
あわれ花びらながれ
おみなごに花びらながれ
おみなごしめやかに語らいあゆみ
うららかのあし音 空にながれ
おりふしに瞳をあげて
かげりなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺のいらかみどりにうるおい
廂々(ひさしひさし)に
風鐸のすがたしずかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうえ
永遠の古寺、そこを歩む生命が永遠かのような乙女達
その彼女らに散る桜・・・それを静かに見つめる青年の三好達治。
おそらく京都の第3高等学校の学生時代の体験であろう。
満開の桜と花吹雪を見ると必ずこの詩の三行がすぐ浮かんでくるのである。
以来、この詩の寺と桜が見たいと思い続けてきた。
どうもこの寺は滋賀県の三井寺のようである。
そうわかってから今年こそは・・・と思いながら未だ実現していない。
琵琶湖を見下ろしながら真っ青な空の下、長い時の流れの中に変わらず建ちつづける古寺に舞う桜を想像しながら、来年こそはぜひ見にいこうと思った。