先週の10月2日、定期的に開催している私の勉強会(朝食セミナー)で野田前総理に講演して頂いた。ちょうど2年前の10月は財務大臣に就任したときである。早いものである。
野田さんは、1時間本当に熱く語ってくれた。
『総理としての政権運営について、①懸案事項の課題を先送りしない②分厚い中間層に支えられる社会の二点を基本とした。そのために社会保障の安定、充実そしてそれを支えるため消費税増税が必要だと判断した。
これまでの政治は、次の選挙(Next Election)を優先し、次の世代(Next Generation)の事は後回しすることで、先送りの政治が繰り返されてきた。この政治に終止符を打とうと思った。
そして今年12月に安倍政権が判断することとなる消費税10%への判断について、7-9月のGDPはおそらくそんなに良い数字になるとは思えない。しかしその判断は日本の分岐点となろう。
基本的にはよほど深刻な数字でない限り消費税は10%にすべきである。それは、消費税増税によるリスクと増税しないリスクを比較すると、増税によるリスクは政権として対応策がとれる一方で、増税しないことによるリスクは政権として対応策が取れないものとなろう。しかもそれが現実となると日本が「万事休す」となる。
消費税増税については国民に負担増のお願いをする前提とした国会議員定数削減が未だ実現していないのは大きな問題である。あの衆議院解散の条件として当時の自民党安倍総裁が私との党首討論で約束したもので、しかもこの事は覚え書きとして署名までしたのである。是非とも早期に実現すべきである』
その他、外交含め幅広く本当に率直に熱く語っていただいた。出席者からも大変解かりやすく感銘を受けたと大好評であった。
野田前総理の講演