約14兆円の補正予算の評判が悪い。
各報道機関の世論調査では60~70%の人が評価せずと答えている。
榊原早稲田大学教授や片山慶応大学教授らも口をそろえて「これまでの各省庁から寄せられた支出の積み上げであり、典型的な理念なきバラマキである」と厳しく批判している。
お二人ともその霞が関官僚のトップだった人である。
100年に一度の経済危機の中、100年に一度の霞が関省庁バブルだと酷評する人もいる。いずれも補正予算の本質をついた見解だと思う。
この約14兆円の何と2割の2兆8千億円が独立行政法人や公益法人に支出される。
しかもその法人に天下りが906人も在籍しているという。
さらにいわゆるハコモノが多く、その多くが具体的な中味の検討はこれからだというから、小泉元総理のフレーズではないが怒るというより呆れてしまう。ひどいものだ。
また予算委員会で自民党の町村前官房長官などがしきりに民主党の景気対策について、財源の裏付けがないと発言を繰り返していた。
しかし今回の補正でも約11兆円が赤字国債(建設国債も含め)である。
即ち、財源の裏付けが全てなく、将来へのツケ回しをしているのは自分たちであることを棚上げした姿勢にも唖然とする。
また民主党が財源として示していたいわゆる埋蔵金を当初は「そんなものはない」といっていた自民党が、次々と埋蔵金を財源としている。
厚顔無恥とはこのことであろう。
私もサラリーマン時代に何回となく景気悪化の時、徹底した経費カット、合理化を体験してきた。
10~20%の経費カットや削減は当たり前であった。
国の総予算は約220兆円だという。
その10%カットでも22兆円である。
民間企業で働いてきた体験からすれば、政権の任期4年を前提として4年間で10%の税金のムダ使いをなくすこと位は当然実現すべき目標だと思う。
財源はまだまだ宝の山がある。