いま「かんぽの宿」のオリックスグループへの売却に関して世間の注目が集まっている。
鳩山大臣が郵政民営化を推進した中心的人物である宮内氏自身が総帥であるオリックスグループが投資額を大きく下回る金額で購入することについて「ちょっと待った!」をかけたからである。
この間の競争入札の不透明性と道義的な問題の両面からの理由である。
ところがこのことから何と派遣労働法の私の国会審議に関して、私が宮内氏らとバトルを展開したことにも関心が寄せられ、今日発売の「サンデー毎日(規制改革会議を巡る宮内義彦しの手紙・民主党議員を激怒させた高圧的文言)」からも取材を受けた。
それは私が衆議院議員時代の2003年、いま社会問題となっている派遣労働法に関し、国会での質問に端を発したものである。
当時、私は民主党の次の内閣「雇用担当大臣」として雇用政策の責任者であった。
そして本会議や厚生労働委員会で派遣労働法の問題点を厳しく追及した。
その追及し指摘したことが現在「派遣切り」という形であらわれているのである。
その法案の中身の前に実は私は次の様な主旨の質問をした。
「雇用労働分野の規制緩和について総合規制改革会議での検討内容が、ほとんどそのまま閣議決定された。この総合規制改革会議の中に人材派遣業に関連したメンバーが複数参加しているのは何故か。公正な論戦が期待されないのではないか。」というものであった。
即ち、総合規制改革会議には人材派遣業界からザ・アールの奥谷氏とリクルートの河野氏が入っており、かつザ・アールの第2位の大株主が何とこの規制改革会議議長の宮内氏が会長であるオリックスであるという実態で、公正な論戦が本当に期待されるのかという疑問であった。
これほど利害関係者がその派遣業に関するルールの変更に関わることはおかしい話しである。
しかもこの奥谷氏は関連した法律そのものを作る審議会のメンバーでもあるという異常というべき実態であった。
この私の指摘に対して奥谷氏は秘書とともに議員会館の私を訪ね、「謝罪」を求めてきた。
当然私は「多くの人が疑問に思っていることを事実に基づいて質したのであり、抗議そのものが全く筋違いである」と、奥谷氏の抗議に対して逆に強く抗議した。
しかし私への抗議だけかと思っていたら、何と厚生労働委員会の委員長(中山成彬議員)に対して、私の「不適切な」発言を議事録から削除または訂正し、私への処分を検討するように求める内容証明便を送りつけてきていたのである。
さらに続いて今度は宮内氏が総合規制改革会議議長という肩書きで私へ抗議文を送りつけてきた。
「勝手な憶測により殊更に誇張、歪曲し関係する各委員、ひいては総合規制改革会議全体の識見を侮辱し国民に動揺を与え、規制改革そのものへの不信感を誘導するような発言は不当である」という内容であった。
常軌を逸した内容であった。
自分達だけが正しく少しでも疑問や問題を投げかけると、烈火の如く怒りその発言を封じ込める態度と行動に唖然とするとともに、怒りがこみ上げてきた。
そしてこうした権力を笠にかけたやり方には徹底して戦っていこうと思った。
従って私は宮内氏の抗議文について政府見解を求めるべく、いわゆる質問主意書を内閣に提出した。
その中で政府は私への回答の中で行政府が国会議員の質問に対して、その発言内容にクレームをつけたことはないことも明らかにした。
また同時に衆議院の厚生労働委員会はこうした両氏の一連の行動について、「議会制民主主義の基本的なルールを踏みにじるかつてない暴論である」との見解を正式に決定した。
当然のことである。
以上が大筋私と規制改革会議宮内議長と委員である奥谷氏との顛末の一部である。
要するに私の質問と指摘がズバリ彼らの痛いところをついたものであったが由に異常な反応をしたということであろう。
このように私は終始一貫、権力を背景に自己利益を図ろうとすることに対し毅然として戦ってきたのである。