いよいよ臨時国会が始まった。
4年ぶりに本会議場に入り、鳩山総理の演説に聞き入った。感慨ひとしおである。
しかも初めての政権政党、与党としての立場での国会である。
鳩山総理の所信表明演説は素直にいって胸に響いてきた。
かつて何回も総理の所信表明演説を直接聞いてきたが、ほとんどすべて無味乾燥な演説だった。
唯一例外は小泉元総理の所信表明演説で今でも記憶している。
しかし米百俵の精神を訴えたその小泉演説とも異なり、素直に自分の言葉で語りかけるものであり、非常に好感度の良いものだった。
もぎたての生野菜のような新鮮さを感じた。
50分を越すという異例の長い演説にもかかわらず、長さを感じさせなかった。
そして翌日には代表質問である。
自民党谷垣総裁をはじめ野党の質問であった。
鳩山総理の答弁がまた新しいものであった。
即ち、ひとつひとつ丁寧かつ自分の言葉で語るというものである。
これまでの官僚が書いた答弁を読み上げるというスタイルが一変した。
従って質問時間より総理の答弁時間が長いという、これまた前代未聞の国会となった。
鳩山総理の姿勢から「新しい政治への大転換、即ち“平成維新”を断行しよう」という固い決意をひしひしと感じた。
日本の歴史ではじめての政権交代の政治が、いよいよ動き始めたことを実感した。