滋賀県知事選挙で三日月氏が初当選した。本当に良かった。
三日月氏と私は民主党で同じグループに属していた。まさに同志である。また私が国会対策委員長の時、国会対策副委員長として私を支えてくれ共に厳しい消費税国会を乗り切った仲間でもある。
当時は毎朝開催する国対役員会ではいつも大きく明るい声で場の雰囲気を明るくしてくれたものである。そして忘れられないのは彼の心配りである。消費税対応で党内が混乱し、また地元の有権者からも毎日厳しい声をあびせられる1~2回生の議員が浮足立っていた時、彼の提案で国対委員長の私と1~2回生議員との懇談会を開くことにした。議員を6班に分け、一回目は国対委員長室でコーヒーとケーキで一人ひとりと悩みや不満、不安など素直な意見交換をした。好評だったことで2回目は夕食をとりながらの懇談会とした。そして2回目は全員平等とする為に全て同じ会場とする様にと三日月氏に指示した。会場は麻婆豆腐で有名な四川飯店となった。その夕食懇談会の3回目位の時に料理は同じだがデザートが毎回変わっているのに気がついた。そこでわかったことは、私にとっては毎回同じ料理だからせめてデザートだけは変えてくれる様にと三日月さんがわざわざお店に頼んでくれたのだという。ちょっとしたことだがなかなか気がつかないことである。三日月さんの気くばりに感謝したものである。
その三日月氏が知事選に出るらしいということを聞いた時は本当に驚いた。「本当?ウソだろう!何故?」と思った。同志である民主党の直嶋さんや古本さんなども心配していた。というのは自・公推薦候補が既に決まっており政治状況からしてとても勝てるとは誰も思えなかったからである。そして出馬が正式に決まった時、三日月さんから電話が入った。「先輩、ご心配おかけしていますが、決断しました」という。その声には悩み抜いた末に決断した爽やかな響きがあった。「本当に大変だろうが何が何でも勝利するしかないね!頑張って!」と応えた。
選挙戦が始まる前の6月中旬に大津の三日月事務所を訪問した。大津駅からタクシーに乗って「三日月事務所へ行って下さい」と言ったら運転手さんが「三日月事務所って何ですか?」と聞かれた。「あぁーまだまだだなぁ」と少々不安に感じた。以来時々激励のメールを送った。彼は忙しいのに毎回律儀に返信をくれた。
今回の勝利にはマスコミ報道にあるように安倍政権の集団的自衛権の閣議決定への強引な政治手法や自民党東京都議会議員による女性蔑視のやじ問題などがあることは明らかである。しかし、私はそれ以前にそもそも当選する事がとても厳しい状況にも関わらず衆議院議員という現職をなげうってまでも地元滋賀への熱い思いを込めて立候補したその英断と決意に裏打ちされた不退転の情熱こそが勝利への道を開いたのだと思う。
三日月新知事の活躍を心から期待したい。