今日発表された完全失業率は前月比0.2%悪化して4.0%と再び4%台となった。これで失業率は2ヵ月連続で悪化し、3月以来6ヶ月ぶりに4%台となってしまった。これは特に雇用主側の都合による女性の失業率が増えたことが一番の要因のようだ。特に15~24歳、35~44歳の女性で企業側の都合による失業が増加したことが大きい。
このことは大変重要な問題である。即ち、まず15~24歳というのは学校を卒業して希望に燃えて企業に就職した若い人たちである。その女性たちが企業の都合で失業するということは精神的ショックと再就職への不安は大きいものがあろう。こうした年代の若者の失業率が高いこと自体が大問題であり、将来ある若者へ働く場をちゃんと与えることは政治の最大の課題であると思う。また35~44歳の女性の失業増も深刻な問題だと思う。この年代の女性は一般的にはいわゆる働き盛りで職場の中核的存在の人が多い年代である。同時に結婚していれば多くの人が子育てをしながら働いているという年代でもあり、教育費も含め家計費負担が重くのしかかっている年代の人たちである。その人たちが自己都合でなく企業の都合による失業というのは、こうした二重の意味で深刻な問題である。
雇用の安定こそ働く人の人生設計の基本であり、家庭の安心そして社会の安定の根幹である。小沢代表がよくいう「民のかまど」の話がある。私もまったく同感であるが政治とは一体何か。政治家とは一体何者なのか。政治家のやるべきことは無数にあるが最大の使命は仁徳天皇の話に尽きるという話である。即ち、ある日仁徳天皇が皇居の高殿に登って四方を眺めると人々の家からは少しも煙が上がっていないことに気がついた。天皇は「これはきっとかまどで煮炊きができないほど国民が生活に困っているからに違いない」と考えて、それから3年間租税を免除することとした。税を免除したため朝廷の収入は無くなり、皇居の大殿はぼろぼろになり雨漏りがするほどになった。しかしその甲斐もあって3年後には国中の家から煮炊きの煙が上がるようになった。このとき詠んだとされるのが
高き屋に のぼりて見れば 煙立つ
民のかまどは にぎわいにけり
という歌である。
正に政治は国民の暮らし、生活の安定がその本質であり、そのために雇用の安定を図ることこそ最大の政治の使命であると思う。