このところ少々関心を寄せていたことがる。
それは日本とは対照的に海外ではデモやストなどの反政府行動が拡大していることである。
今日の朝刊(日本経済新聞)でも何と同一頁に三つの反政府集会の記事が大きく報じられている。
その1【韓国】
昨日(5月31日)、米国産牛肉の「輸入再開に反対する市民団体や学生達がソウル市で輸入再開反対、李明博大統領退陣」を訴えた抗議集会が開かれた。10万人が集結した。
デモ隊の一部は青瓦台(大統領府)近くで警察隊と衝突、警察隊がデモ隊に放水する事態となった。
6月10日には全国で100万人の抗議集会が予定されているという。
その2【タイ】
昨日、首都バンコクで「憲法改正反対」の反政府集会が5000人を集めて開かれた。
前日の30日には1万人以上が参加した。
これは憲法改正がクーデターで地位を追われたタクシン元首相の復権を狙ったものだとして反タクシン派の市民団体が呼びかけたものである。
その3【ヨーロッパ】
燃料価格の高騰に不満を募らせた漁民の抗議行動が拡がっている。
港湾封鎖などを続けるフランスのストに南ヨーロッパの漁民が合流しストが拡大している。
そして英国、ベルギーにも拡大しつつある。
要約するとこうした内容である。
即ちこうした国々では民意を無視した政策や不正などに対してハッキリと行動で政府に抗議の意志を示すということである。
それだけ国民に活力やエネルギーがあるということでもあると思う。
振り返れば我国も60~70年代までは同じように社会的なエネルギーがあった。
現在はどうであろう。
海外の状況と比べると静かなものである。
しかし日本社会の現状は決して良いわけではない。
例えば年収200万円以下で働く人が1000万人を上回り、10年連続で自殺者が年間3万人を越すという状況の中で、次々と高騰する諸物価、あきれるばかりの税金のムダ使いや天下りは放置したまま、ガソリンの暫定税率復活や後期高齢者医療制度など国民の負担は増すばかりである。
納税拒否や減税を求めるなどの抗議行動が大規模におきてもおかしくない状況にあると思う。
歴史を遡れば飢饉で飢え苦しむ農民が年貢だけは相変わらずとりたてる悪代官屋敷に乗り込み、時の権力者に戦いを挑んだ百姓一揆を起こした頃と現在の日本は本質的にはあまり変わらないのではないかと思う。
一見静かな日本だが多くの国民の心の中の怨嗟の声をしっかりと受けとめ、政権交代へのエネルギーに高めていく取り組みが求められていると痛感するのである。