日本に上陸か!と緊張が走った新型インフルエンザ。
結果はAソ連型であった。
感染の疑いが晴れた高校生が通う学校の校長は涙を流して喜んだ。
ひとまずほっとした。
ところでこの問題では国と県、市で一悶着があった。
舛添厚生労働大臣5月1日未明の会見で「厚労省から市への電話が一時繋がらなくなった組織としての危機管理体制がとれてない」と横浜市を厳しく批判した。
これに対して中田市長は「感染が確定していない段階で発表する訳にはいかないのではないか。どの段階で発表するかを厚労省側と協議中に厚労省側からの情報でTVのニュース速報が流され、それを見た市民からの問合せがラッシュの様に相次いだ。大臣がいう電話が繋がらなくなったのは当り前で国側が先走ってしまい、市が振り回された」と強く反発した。
松沢知事も「国の発表がフライングして招いた混乱なのに大臣が横浜市や神奈川県の対応を批判するのは勇み足だ。しっかりして欲しいのは大臣の方だ」とこれまた反論した。
国と地方との連携が不充分であったことは間違いない。
しかもそのやり取りを聞いて少々驚いた。
緊急時なのに「電話が繋がらない」、「いや問合せがラッシュになり、その対応に追われていた」というやり取りである。
こんなことで危機管理は本当に大丈夫なのか?
国と地方自治体との緊急時の連携はこの程度のものなのかということである。
これこそ本質的な問題であろう。
もう一つ問題なのは感染源が依然として明らかでないことである。
豚インフルエンザという表現から新型インフルエンザという言い方に変わった。
そもそも最初の感染確認例の5才の男の子が住むメキシコの村が大規模な養豚場に囲まれており、そのために感染源が豚ではないかとされた様である。
鳥インフルエンザではニワトリが大量死することが多く、その関連について明らかだったが、今回は毒性が弱いということで豚の状況と連動していないのが発見を遅らせる原因の様でもある。
エジプトでは国内のすべての豚を殺処分すると報じられているが、もし感染源が違っていたとすると最大の被害者は豚である。