5月3日から5日まで超党派の訪中団の一員として北京を訪れた。
自民党からは高村、町村両外務大臣経験者も参加され、民主党は海江田さんをはじめ8名、社民党、公明党、共産党、国民新党の参加を入れて総勢16名であった。
北京は初夏の陽気で少々暑いくらいである。
また市内は排気ガスの影響なのか視界が悪い!オリンピックの時は一時的にきれいになったという。
今回の訪問では宋健・日中友好協会会長、李源朝組織部長、習近平副主席、唐家セン氏らとの会見が中心であった。中でも日本で話題となった習近平副主席は次の主席候補と言われている人である。
大柄で声も太くいわゆる大人の風貌である。
常に笑みを浮かべ質問にもよどみなく答える。なるほど次の主席という評価の人物だなと思った。
5月4日の夜は唐家セン氏との夕食会が釣魚台で行われた。
ちょうど北朝鮮の金総書記が中国を訪問したと日本をはじめ海外で報道されているときである。
しかし中国の国内では一切報道されていない。
そこで私が団長格の高村さんに「唐家センさんに直接質問したらどうですか」と言った。
高村さんは「そうだな」といって唐家センにあえて質問をした。
「金総書記は中国にきたんでしょうか?」
一時、間をおいて唐家センはゆっくり日本語で
「コトハ、オコリマシタ」と答えた。
見事な答えだと感心してしまった。
公式には中国は一切認めていない段階での答えとしては見事!の一言である。
正確に金総書記の訪問を認める内容であるが、どこにも金総書記の名前も訪中したという事実の言葉も使われず、現実を認めるという奥深い表現にうなってしまった。
「コトハ、オコリマシタ」(事は起こりました)という彼の声が今も耳に残ったままである。