菅さんが新しい首相になった。
今週は本当に激動の時であった。まず、2日(水)に突然鳩山総理が辞任表明をした。とにかくびっくりした。
朝、会議に出席している時、隣りにいた石田議員が私に「10時に総理が両議院総会の開催を求めたらしいですよ。」と小声でいった。「何ですかね、まさか辞任じゃないでしょうね。」といったものの胸騒ぎがした。というのは鳩山さんが日中韓首脳会議で韓国のチェジュ島へ行く直前の本会議場で「とにかく頑張ってくださいよ!」といって握手した時の総理の表情に力がなかった。「総理はかなり疲れているな」と直感したからである。
今年の2月頃だったと思う。拉致問題について鳩山総理と協議するため総理官邸を訪れた。約40分協議した後、私が鳩山さんに「厳しい状況ですがとにかく頑張って下さい」というと、鳩山さんは「ありがとう。私は柳(やなぎ)だからね。」と笑って答えた。以来、鳩山さんと会うといつも私は「総理、柳ですよ。」と言って励ましてきたものである。
辞任のあいさつを聞きながら胸が熱くなった。その柳もついに折れてしまった。
そして、菅総理大臣の誕生である。
あっという間の交代である。総理大臣の交代だけでなく国会の「空気」も一気に一変した。総理大臣を決める本会議場の野党席は一気に沈んだ雰囲気に様変わりである。〝空気〟〝勢い〟〝流れ〟というのは、時として一気に変ることがあることを実感した。
ところで、新総理の菅さん。
小泉さん、安倍さん、福田さん、麻生さん、そして鳩山さんと立て続けに続いた二世、三世の世襲議員ではなく、一人で、自分でたたきあげてきたいわゆる庶民である。ここが菅さんの最大の特長であり、強みではないだろうか。
私と菅さんとは菅さんがまだ社民連という小さい政党の議員の頃から約20年来のお付き合いである。
その頃、菅さんは時々ふらりと会社の私の部屋へやってきた。当時、菅さんは土地問題を熱心に取り組んでいた。
ある日「城島さん、先日は土地問題を勉強する為に又台湾へ行ってきたよ。」と言ってやってきた。そして、最近出版したという本を私にくれた。「今の日本の様にとにかく金さえあればいくらでも土地が買えるということでいいんでしょうかね」など熱心に語ったものである。また、時々新宿の居酒屋で酒を酌み交わした。ほろ酔いかげんになると、赤ら顔で一気に自論をまくしたてた。
その菅さんが総理になった。あっぱれである。