昨今やたらと値上げのニュースが多い。今月以降も値上げ予定が目白押しである。タクシーも初乗り710円へと料金が上がり、ビールも来年2月ころから値上げだという。
中でも食品は値上げラッシュである。こうした値上げラッシュで家計が一段と厳しい年の瀬になりそうである。
その値上げの中でもガソリンの値上がりがすごい。とうとうレギュラー1リットル150円台半ばまで上昇してきた。灯油も同様である。18リットル1800円台と大幅な値上がりである。長年石油ストーブを愛用してきた私も今年はさてどうしたものか思案している。
収入は減少する一方で税金や社会保険料負担増に加え、生活に直結した諸物価までも上昇したのでは家計はやりきれない。
実は今年の夏、一日だけ古里に墓参りに帰った折りに愕然とした光景に出会った。一面緑の美しい田んぼのど真ん中をブルドーザーが動き回っていた。そこには新しい道路が造られていた。稲穂がゆれる美しい田園の風景をも壊してしまうこの工事を見つめながら心底怒りをがこみ上げてきた。現に生活しているこの地域の人は誰も必要と思っていない、まさにムダな道路である。
その工事を見ながら近所の皆さんは「全く腹立たしい限りです。これこそ税金のムダ使いじゃないですか!」と顔を曇らせた。そしてこの道路の建設について地元の政治家と業者との癒着についても、みんなよく分かっていたのである。
道路特定財源の象徴的な現実を目の当たりにしたのである。
こうした現実からしても来年度予算編成で、いま話題の道路特定財源は抜本的に見直すべきであると思う。一般財源化とともにいわゆるガソリン税は何としても見直すべきである。即ち、昭和49年以来続いている暫定税率を廃止することである。
本来の税率でいけば1リットル24,3円のものが48,6円と消費税を含めると26円(リットル当たり)も多く私たちは税金を納め続けているのである。
従ってこの暫定税率を廃止すれば何と1リットル26円の値下げということになる。
そうすれば国民生活はもとより、物流業界をはじめ産業界に与える好影響も計り知れないものがあろう。そもそも暫定としながら何と33年以上にわたって国民から取り続けていた税金である。
今こそ長年黙って納めつづけてきた国民への恩返しとしても暫定税率は廃止すべきであると思う。