福田首相が突然の辞任をした。
内閣改造をしたばかりで臨時国会まであと2週間と迫った中での辞任劇である。
しかも国民への謝罪の言葉が今もって一つもない。
そして辞任はしたものの依然として次の首相が決するまでは首相なのだから、その職責をしっかりと果たすのは当然のことである。
にもかかわらず、もう辞職したかのようにその職責を果たさずにのんびりと過ごしているというから驚きである。
よくもこういう人を自民党は総裁、即ち総理大臣に選んだものだと思う。
約1年前、いよいよ野党の代表質問という2時間前に突然辞任した安倍前首相に続いての辞任劇である。
今それこそ福田首相の遺言めいた「総裁選を華々しくやってほしい」という言葉通りに自民党総裁選が開始された。
しかしまず第一に重要なことは、こうした事態を招いたこと、そしてこの様に無責任な人を総裁として選んでしまったことへの国民への謝罪と反省の言葉が自民党にないことも由々しき問題である。
まして今総裁選に出ようとしている人は党の幹部であり、また中には安倍、福田両氏を積極的に担いだ人もいる。
そうした人から何も反省の弁がなく、とうとうと自らの主張のみをする姿を見ていると、この人達もまた安倍、福田氏らと同じ感覚の人間ではないかと思ってしまう。
政治家としての矜持とか英国でいうノブレス・オブリージという精神のかけらもない。
真のリーダーの要件を改めて自問自答しながら総裁選を見つめている。
それにしてもあの熱狂的な小泉劇場の再演で国民の目をひきつけようと目論む自民党、柳の下にどじょうはそうはいない。
国民のくらしを守ることより自民党を守ろうとする姿は、多くの国民に見透かされている。