何とあの小泉総理が次男を後継に指名をしてしまったのには驚いたし予想外であった。
「ナーンダ!小泉さんもただの父親か」と思った。
これで小泉家4代目の政治家の誕生の可能性が出てきた。
江戸時代じゃあるまいし、何で4代も世襲しなければならないのか・・・
小泉さんにとっては「国家よりも小泉家の方が大切なのか」と疑いたくなる。
というのは、小泉さんは単に一議員だった人ではないからである。
総理大臣を5年以上も務めた人である。まさに日本のトップリーダーであった。
そして「自民党をぶっ壊す!」と言い切り、それまでの慣行やしがらみにとらわれないような姿勢を演じていたのである。
その人が自らの独断で「息子を後継にしたい」と宣言するとは驚きであり、意外でもある。そして何より残念である。
その小泉さんとの思い出は多い。
サラリーマン時代、時々食事に誘っていただいた。
場所は赤坂や浅草などであった。
当時は30歳代のサラリーマンであったから小泉さんにも随分と気楽にいろいろと言いたいことを言っていたものである。
そして思いもかけず私も政治の道へ進んだ。
新人議員として初当選した私に最初に当選祝いしてくれたのは、他でもない当時の厚生大臣の小泉さんであった。
赤坂の「口悦」でとにかく一晩じっくりとお祝いをしてくれた。
芸者さんも5~6人呼んでくれ「おめでとう」と心から祝ってくれた。
ただし話題の半分くらいは猥談だったが・・・
ありがたかったし、この温かい心くばりは生涯忘れることはない。
しかし政治家同士としては、ことごとく対立をした。
とりわけ雇用政策では常に激突した。
派遣労働法や解雇法制で小泉総理との真剣勝負の論戦の戦いは思い出深いものである。
そんな関係もあり、小泉さんの今回の後継指名には全く残念と言うしかない。
私は以前から世襲はそれ相当の相続税を払うべきと主張している。
相続税とは選挙区を受け継がないということである。
世襲だから即ダメとは思わない。
ただし親の選挙区とは全く縁もゆかりもない違ったところから出馬すべきであると思っている。
今からでも遅くはない。
小泉さん、息子さんをどうしても政治家にしたいのなら、少なくとも選挙区を変えて、特に厳しいところでの挑戦をさせることが本当の親の愛情ではないのかと申し上げたい。