今日、11月15日は横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから32年になる日である。私も今月2日に冷たい雨が降る中、拉致されたと思われる現場を訪れた。
32年前の11月15日、拉致されためぐみさんは北朝鮮に向かう船の中のまっ暗な寒い船倉に閉じ込められたといわれている。そして証言によるとその中で13才の少女のめぐみさんは「お母さん、お母さん」と泣きさけび船倉の出入口や壁などを手で引っかきつづけたという。その時に手の爪ははがれたり手が血でそまっていたという。何ということであろうか。その時のめぐみさんを想うと心が凍りつきそうになる。
一日も早く救い出さねば!
先週の日曜日、NHKが「日朝交渉」という番組を放映した。第一回と第二回の小泉総理が訪朝し金正日総書記との交渉の議事録を独自に入手しそれを基に検証したとする内容であった。大変興味深くじっくりと見た。見ごたえがあった。しかし、私には大きな疑問がわいてきた。それは、この放送によると日朝交渉はほとんどが核問題中心であり拉致問題への言及があまりにも少ないのである。当時から日朝間の我国の最大の問題は何と言っても拉致問題であったはずである。当然小泉総理は拉致問題に全ての時間を費やしてもおかしくない。ところがどうもそうではない。まして、北朝鮮からは拉致被害者5人の生存と8人の死亡という信じがたい衝撃的な報告がされたのである。とすればこの内容の信憑性も含め徹夜してでも納得できる回答を得るまで交渉するのが当たり前のことであろう。
にもかかわらず、2002年9月17日の第一回、日朝交渉はわずか2時間半で終わっている。2時間半ということは通訳のことを考えると小泉総理の発言時間は約40分程度と推測される。短すぎる!しかも、核問題が中心だとすれば拉致問題は一体何分使って北朝鮮に迫ったのか!しかも、その後、共同宣言(平壌宣言)に署名までしたのである。全く不可解である。
今、私はこうした疑問を外務省に投げかけている。ちなみに2004年5月22日の第二回の日朝交渉の時間は外務省の私への回答によると1時間30分である。ということは小泉総理の発言時間は約20分程度ということになる。これでは交渉ではない!
私はこの2回にわたる日朝交渉における拉致問題の交渉が一体どういうものであったのか、このことを明らかにすることが今後の拉致問題の解決の為には重要だと思う。
私が委員長である拉致問題特別委員会に当時の関係者、小泉総理、福田官房長官、安倍官房副長官、田中均局長などに参考人として話しを聞くことが必要ではないかと思われる。