先週、東大の本郷キャンパスの小柴ホールで開かれた「政権交代のこの時期に何を考えるか」というテーマのフォーラムに、聴講者の一人として出席した。
会場は満席であった。
パネリストは、佐々木毅氏(学習院大学教授、元東大総長)、グレン・S・フクシマ氏(エアバスジャパン社長、元米国通商代表補代理)、増田寛也氏(野村総研顧問、元総務大臣)である。
何といっても久しぶりの本郷キャンパス。土曜日の午後で小雨模様でもあり、静かである。
それこそ昨年の選挙以来はじめてまとまって時間がとれたので、自分なりに政権交代についてじっくりと整理してみたいと思い出かけた。
約4時間のフォーラムではそれぞれ3名のパネラーの話しは大変示唆に富み、興味深いものであった。
佐々木氏:政権交代で誕生した鳩山政権はこれまでの自民党政権の政策の変更だけでなく、政治システムの変更(脱官僚依存の政治)という2つの大きな負荷を背負っている。その中でも内閣と党の政策の一元化という政治システムの確立は極めて重要である。
グレン・S・フクシマ氏:今回の政権交代は外(海外)からの視点で言えば大変好ましいことである。やっと日本の政治が民主化されたということ、即ち55年体制が終わったということであろう。しかしその一方で財界、マスコミ界、官界、知識人層(学会)は依然として55年体制のままである。日本の社会が本当に変わるにはもう少し時間がかかりそうである。
などなど・・・
もちろん議論は多面的であったから、その他大変興味深い主張が多々あった。
討論が終了した後、懇親会にうつるとすぐに、佐々木先生が私を見つけて「やぁやぁ、城島君!久しぶり、今日来てたの」と声をかけて頂いた。
「城島君、政府と党の政策の一元化は大変重要なテーマだからじっくりとより良いシステムを考えてよ」といわれた。
私は「そうですね。ここが民主党政権のヘソみたいなものですから。慎重により良い仕組みを時間をかけて造りあげていきます」と応えた。
会場を出ると雨は上がっていた。久しぶりにじっくりと考える時を過ごした。
これからが政権交代の本当の実践である。