昨日、南相馬市へ出向いた。
20km圏内のいわゆる立入禁止区域内の動物の実情を調査し、一刻も早い救済を実現する為である。桜井市長は震災以来はじめて休暇をとり墓参りの予定を中止して一日、自ら案内して頂いた。心から感謝したい。
約30分、市役所で市長と意見交換した後、タイベック・スーツを着て長ぐつに汚染防止マスクをして午前11時、マイクロバスで市役所を出発した。今回は地元の石原議員をはじめ、民主党のボランティア室の派遣で長いこと現地にはりついている高邑議員や玉木議員をはじめ8名の民主党議員に加え、私が声をかけた林良博(東大名誉教授)さんもチューリッヒでの国際会議から帰国直後にかかわらず参加してくれた。
海岸の地域は壊滅状態で立入禁止の為まだほとんどガレキ処理も進んでいない。出会うのは警察と自衛隊の車だけ。そしてガレキの中で警察の方々が行方不明者の捜索を行っている。一方津波の被害を受けていない地域は、緑に囲まれた平和な美しい農村の風景である。物音一つしない。初夏の風にゆれる木々の音だけ。その中に逃げ出したのか飼い主が放したのか牛や豚の群れがいる。そして、牛舎や豚舎で飼育されている(された)家畜の悲惨な状態を目の当たりにする。
言葉がない。これが先進国なのか!
国家の尊厳とは何か!
桜井市長が「私自身、酪農家であったが故に心が痛みます。自分の汗と牛の汗は同じです。家畜から命をもらっています。自分の手足をもがれる思いです。これは国力に関わる問題です。」と語りかけた。
約6,000頭の豚を飼育されている前田社長の言葉はもはや言葉にならない。話を聞きながら、ご本人の心境を思うと胸がさかれる思いであり頭が真っ白になってしまった。奥様の案内で豚舎を見てまわった。言葉が出ない。
視察の途中、ペットの状況も注意深く観察をした。約2時間半の行動であった。終わって、サーベイメーターによる、スクリーニングを受けた。問題なし!
視察後、早速市長と今後の対応策について協議した。
具体策を早急に実施できる様に政府と協議し実行させるという約束をして市長と別れた。
その後ペットを収容している県の施設を訪問した。担当の渡部課長の説明では「4月28日から5日間20km圏内でペットの救済活動を2班の体制で行った。環境省からも審議官が参加した。この5日間で犬27頭、猫2匹を保護した。なお、今日まで保護した犬は79頭である。うち20頭は飼い主にひきとられた。なおこの5日間で死亡した犬・猫はみつかっていない。」ということであった。
現在、保護されている約60頭の犬を見て回った。すべて、元気そうで少し安心した。
その後、福島県庁に現地対策本部の池田本部長を訪ねた。
そこでペットを含め動物救済について早急な対応を強く要請した。同時に現地から環境省の西山室長、農水省の筒井副大臣にも改めてとり急ぎ同様の要請を電話で行った。いずれも一刻の猶予もない。時間との戦いである。