「社会保障と税の一体改革」の7本の法案の修正協議に自民・公明両党が応ずることとなり、昨日からさっそく「社会保障」についての三党協議がはじまった。今国会の最大の課題であるこの一体改革法案の審議入り同様に修正協議入りにも大変苦労した。三回の幹事長会談で三党の修正協議入りの合意ができたが、社会保障部分から先行して協議をすることでも合意したことは大きな意味をもつものである。即ちこの一体改革については〝消費増税〟のイメージが強く社会保障の充実、改革が前提であるということを再度きちんと踏まえることが重要だという三党の共通認識によるものである。
ところで、この修正協議であるが、私は一年ごしに実現したいわゆる与野党協議であると思っている。即ちこの「社会保障と税の一体改革」については約二か月以上の党内論議を経て昨年6月30日に民主党の方針をとりまとめた。この時までは野党からは「民主党案を早くとりまとめて欲しい。そうしたら与野党協議をして、その合意した案を政府案とすべきだ」と主張していた。当時、政策調査会長代理であった私も全く同じ意見であった。そこで昨年6月30日にとりまとめた民主党案をもって自民・公明両党への協議を提案した。ところが、「民主党案ではダメだ。政府案でなければ協議に応じられない。」と一転して対応が変わった。そこで、半年かけて連日の党内論議を深め、昨年末12月29日に最終の民主党案をとりまとめ、それを閣議決定し、政府案として国会に提出したのである。法案として国会提出した時点で改めて、野田総理から与野党協議を呼びかけた。しかしながら実現しないまま、国会審議そのものに入ったのである。その国会審議がかなり進んできたので、ここでまた与野党協議即ち修正協議を申し入れたのである。ところが、今度は「法案採決の日程等を示さないかぎり協議には応じられない」という。そこで、大筋の日程を提案し、やっと修正協議に応ずることになったのである。即ち昨年の今頃は政府案ではなく「民主党案を作ったら協議しよう。」と言い、いざ民主党案ができると今度は「政府案でなければ協議できない。早く政府案を作って欲しい。」と言い、政府案ができると今度は「閣議決定し国会に法案として提出しないと協議できない」と言い、いざ提出したら今度は「採決までの国会日程を提案しないと協議できない」という。即ち昨年の今頃から与野党協議についての野党の要求を私たちが満たす毎に条件が変わり、いわゆるハードルを高くするということの繰り返しであった。まるで蜃気楼の様であった。
こうした経緯であるが故に、当時からこの課題に携わってきた私はやっと実現した与野党協議という思いなのである。是非とも実りある民・自・公修正協議であることを願っている。