今日は3月3日。節句ひな祭りの日である。
春らしくなってきたが北日本は猛吹雪である。
また、3月は賃金引き上げ交渉の季節でもある。今年の春闘は例年と異なり極めて重要である。
というのも、安倍政権でデフレ脱却を目指したいわゆるアベノミクスが狙い通りにいくか、それとも国民生活を破綻に向うかのカギを賃上げが握っているからである。一言でいうとデフレ脱却の目玉とした物価目標2%に相応しい賃金上昇が実現できる流れをつくれるかどうかが最大のポイントである。私の直感では残念ながらそういう良い方向につながることは難しいのではないかと思う。個別企業の論理が優先するこれまでの労使交渉が一気に転換する気配は今のところ見えない。
思い起こすのは社会人となって5年目の1975年の春闘である。’73年秋のオイルショックで物価が一気に上昇した。狂乱物価という表現が使われた程である。そして、翌’74の春闘ではこの狂乱物価を背景として何と30%を超す賃上げ率となった。私も新しい給料をみて「すごい!」と驚いた。だから’75春闘のことは入社5年目の新人みたいな私もよく覚えている。当時の日本経済はインフレと不況のスタグフレーションへ転落する危機的状況にあった。
そんな時に当時の鉄鋼労連の委員長であった宮田義二さんが「経済が危機的な情勢にあり、労働組合はこれを救うことを第一義にすべきである。しかるべきインフレ抑止に整合した賃金決定を大胆に選択すべきである」と述べ、大反響をよんだ。即ち、労組幹部自身による賃上げ抑制論であったからである。
しかし、宮田さんの提唱したこの考え方が労組にも浸透し’75春闘は日本全体の平均賃上げ率は13%へと前年の33%から一気に半分以下で結着したのである。
このことにより狂乱インフレ抑止の環境が整い経済はスタグフレーションへの転落を免れ、日本経済は見事に短期間に立ち直るのである。即ち、この時の宮田義二さんの大英断が日本を救ったといっても過言ではない。
今年は全く逆の構図である。即ち、経営者・財界の出番である。
かつての宮田さんは仲間達の反対論の多かった中での大英断を下したのである。
今は論理的にはすべての人が賃上げが必要だと主張している。今の財界でかつての宮田義二さんの様に財界全体を引っ張っていけるような人がいるのであろうか。私はこの点に注目している。
春らしくなってきたが北日本は猛吹雪である。
また、3月は賃金引き上げ交渉の季節でもある。今年の春闘は例年と異なり極めて重要である。
というのも、安倍政権でデフレ脱却を目指したいわゆるアベノミクスが狙い通りにいくか、それとも国民生活を破綻に向うかのカギを賃上げが握っているからである。一言でいうとデフレ脱却の目玉とした物価目標2%に相応しい賃金上昇が実現できる流れをつくれるかどうかが最大のポイントである。私の直感では残念ながらそういう良い方向につながることは難しいのではないかと思う。個別企業の論理が優先するこれまでの労使交渉が一気に転換する気配は今のところ見えない。
思い起こすのは社会人となって5年目の1975年の春闘である。’73年秋のオイルショックで物価が一気に上昇した。狂乱物価という表現が使われた程である。そして、翌’74の春闘ではこの狂乱物価を背景として何と30%を超す賃上げ率となった。私も新しい給料をみて「すごい!」と驚いた。だから’75春闘のことは入社5年目の新人みたいな私もよく覚えている。当時の日本経済はインフレと不況のスタグフレーションへ転落する危機的状況にあった。
そんな時に当時の鉄鋼労連の委員長であった宮田義二さんが「経済が危機的な情勢にあり、労働組合はこれを救うことを第一義にすべきである。しかるべきインフレ抑止に整合した賃金決定を大胆に選択すべきである」と述べ、大反響をよんだ。即ち、労組幹部自身による賃上げ抑制論であったからである。
しかし、宮田さんの提唱したこの考え方が労組にも浸透し’75春闘は日本全体の平均賃上げ率は13%へと前年の33%から一気に半分以下で結着したのである。
このことにより狂乱インフレ抑止の環境が整い経済はスタグフレーションへの転落を免れ、日本経済は見事に短期間に立ち直るのである。即ち、この時の宮田義二さんの大英断が日本を救ったといっても過言ではない。
今年は全く逆の構図である。即ち、経営者・財界の出番である。
かつての宮田さんは仲間達の反対論の多かった中での大英断を下したのである。
今は論理的にはすべての人が賃上げが必要だと主張している。今の財界でかつての宮田義二さんの様に財界全体を引っ張っていけるような人がいるのであろうか。私はこの点に注目している。