衆議院解散から今日で一年。早いものである。当時、野田総理と谷垣自民党総裁との消費税法案の参議院での採決を前にした党首会談で「近いうち解散する」との合意の解釈をめぐって野田さんは「うそつき」いや野田さんは「正直者だから年内解散だ」などと解散の時期をめぐって騒がしかった。閣僚からも年内解散の発言が出たりしていた。
私はこうした状況は好ましくないと思い閣議後の閣僚懇談会で発言を求めた。「閣僚が解散について公式に発言するのは控えるべきだ。あくまでも総理の専権事項であるから総理の決断にかかっている。そこで敢えて私の意見を述べたい。消費税法案成立は野田内閣の歴史的成果だと思う。それは、何といっても野田総理の不退転の決意があったことが第一であり、自民党、公明党の協力のお陰でもある。しかし忘れてはいけないのは小沢さんグループの離党もあり世論の極めて厳しい状況にある中で消費税法案に賛成したいまいる民主党議員である。地元に戻れば罵声をあびせられ、中には唾をかけられながらも必死に耐えながら厳しい活動を続けている。この人達が法案成立の卵で言えばまさしく黄身である。今の状況のまま解散すれば、素手で戦えということに等しい。我々が確認した「議員定数削減なくして増税なし」をぜひ実現させるべきである。即ち解散前に議員定数削減を何としても実現することに全力をあげるべきである」と発言した。
何とその翌日の党首討論で野田総理は解散の条件に議員定数削減の実現を凄い迫力で安倍総裁に迫った。野田さんはまさに命がけ!後ろにいた私は野田さんに鬼気迫るものを感じた。たじろぐ安倍さん!
この党首討論で次期通常国会(今年の通常国会)で定数削減の実現が合意され解散となった。「近いうち解散」以上に重要かつ明確な約束の議員定数削減の約束は果たされず一年たってしまった。しかも安倍総理はこのことに全くふれようともしない。極めて不誠実である。