4月28日からのミャンマー訪問から今朝6時(5月1日)に帰国した。顧問を努める民主党日本・ミャンマー経済交流推進議員連盟の一員として訪問した。私にとっては約1年ぶりのミャンマーである。ヤンゴン市内は一段と活気に溢れ、また随分きれいな車が増え朝夕の渋滞も激しくなっていた。発展途上であることを改めて実感した。
今回の訪問はミャンマー側の大変な配慮により希望通りの内容が実現し非常に充実したものとなった。まず、首都ネピドーではテインセイン大統領はじめ建設大臣、財務大臣、国家計画・経済開発大臣、外務大臣、保健大臣、商業大臣、大統領府大臣、ヤンゴンでは、ミン・スエ・ヤンゴン地域首相、ヤンゴン市長、与党のテー・ウー副議長そしてアウン・サン・スー・チーさんらと会見した。テインセイン大統領とお会いするのは私は2度目。今年はミャンマーがアセアンの議長国であり来週からアセアン諸国会議がはじまるという多忙にもかかわらず大変お元気な様子。大統領は冒頭「野田政権は世界に先駆けてミャンマー支援に舵を切り特に5000億円の延滞債務解消に協力してくれた事に大変感謝しておりこのことは忘れることはない」と感謝の言葉。続いて「民主主義の発展には経済成長が不可欠であり、資金と技術が必要である。その観点から外国の銀行参入について近々最終的判断をしたい」「ODAの支援大変有り難いが決定までの時間がかかりすぎで他国からのアプローチも激しく日本のはやい決定を望む」との要望もあった。
ウィンシェイン財務大臣とは今回で4回目である。もうすっかり打ち解けた関係である。日本の3メガ銀行を含めた外国銀行参入の件を中心に論議をした。その他の各大臣や要人との会見も実り多いものであった。
そして今回の訪問でもう一つの重要な会見がアウン・サン・スー・チーさんである。
来年の総選挙を控え野党の国民民主連盟(NLD)のリーダーとして国民の圧倒的人気をほこっている。会見はNLD本部。市内の雑居ビルの2階。彼女は美しい上品なグリーンの民族衣装ロンジーであらわれた。
「これから政治的な話になると熱くなりますから一層暑くなると思いますのでどうぞ上着は脱いで下さい」とジョークを交えた挨拶からはじまった。
「軍に特別な地位を与えている現在の憲法下では民主化への道を歩んでいるとは言えない。2015年の総選挙に対して①法の支配②憲法改正③国民和解の三原則をもって臨んでいきたい」という主旨の話しが私たちとの論議でも終始一貫していた。
扇風機だけの蒸し暑い部屋、電力事情が悪いためか時々照明が暗くなる。その中で穏やかな口調ではあるが終始毅然とした雰囲気を漂わせるスー・チーさん。3度にわたる自宅軟禁を乗り越えてきた精神力を感じさせる印象深い会見となった。
また、日本が開発中のティラワ特区(二度目の視察)、ヤンゴン市内の発電所、ネピドーの通信施設の視察やヤンゴン市の環状線の電車(ディーゼル車)も体験した。
ミャンマーは今最も暑い季節。最終日に郊外の日本人墓地を訪れた。照りつける日射しの中、ブーゲンビリアの花が美しく咲いていた。
アウン・サウン・スー・チーさんと(NLD本部)
車がほとんど走っていない片側9車線の道路(首都ネピドー)
4回目となるウィンシェイン財務大臣との面会