昨日は春一番が吹いた。
今日も風が冷たい。
その風の中、フード連合主催の春季生活闘争(春闘)の集会が日比谷公会堂で開かれた。
フード連合の春闘集会は毎年、多くの子供達を含む家族づれで、今年も約1000人の参加者で熱気とともに和やかな雰囲気の集会であった。
フード連合の渡辺会長、そして連合の高木会長の熱のこもった挨拶の後、参加者全員に「Yes、No」で答える質問形式のアンケートが行われた。
その中で大変興味深かったのは・・・
---最近残業が多くて体がきつい(夫の残業が多くなり疲れ気味である、お父さんが残業で帰りが遅く一緒に遊んでくれない)という質問には、何とほとんど全員がYesと回答したのである。
私の予想を大きく越えた実態に正直いって驚いた。
この対策の一つとして時間外労働に対する割増率の引き上げは重要な取り組みであると思う。
また日本の現状は世界的にみても最も低く、それこそグローバルスタンダード、即ち時間外割増率は50%、休日は100%に上げることは当然の事だと思う。
賃金本体の引き上げ、即ちベースアップも今年は重要であると思う。
大手企業を中心に企業収益は好調だが、その恩恵にあずかっているのは株主と経営者である。
即ち、配当は増加、経営者の報酬も大幅に増額されている。
しかし従業員への配分は全くされていない。
労働配分率の低下がそのことをよく示している。
そのことで企業収益は好調でも家計はいたんでいる。
従って個人消費は回復せず本来の景気回復になっていないのが現状である。
今年はその家計への配分として一定のベースアップを実現すべき年であろう。
かつてオイルショックに見舞われた1970年代半ば、当時の労働界のリーダーは宮田義二氏をはじめとして狂乱物価と高賃上げの悪循環に陥るのを防ぐべく、ベースアップは経済との整合性を重視するとしていわば賃上げ自粛の方針をとり見事にオイルショックを乗り越えたのである。
その決断は歴史的なものであったと思う。
今は逆の意味でベースアップは勤労者の生活実態との整合性を重視するという位の思いで、経営者のリーダーシップが問われていると思う。
今年の春闘はそんな経営者が出てくるのかどうか注目してみたい。