今日も本当に暖かな春の風が流れる一日であった。
一昨日の春雷と雨で空気が一気に冬から春へと変わった様な感じである。
今朝、春の訪れを告げるかのようにウグイスのみごとな鳴き声に一瞬足を止めた。
午前中に二ヶ領用水・中原桃まつりに顔を出した。
春のやわらかな陽射しの中で桃の花が美しい。
またこの用水は1611年に開削された多摩川最古、最大の農業用水だという。
もうすぐ400年になるという長い期間守りつづけてきた先人達の苦労とともに、桃並木を未来に引き継づけようと活動する地域の方々の努力も素晴らしいなと思う。
寝台急行「銀河」が昨日「最後の旅」を終えたニュースに感慨深いものがあった。
その中でも特に大船駅の駅員である伊東さんが「お客様への感謝の気持ちを表したかった」として手作りのポスターのことが胸を打った。
-「銀河」はあなたの胸の中へ旅立ちます-
と書かれたお別れのポスターが今年の一月から大船駅に貼り出されたという。
その記事を読みながら私自身、ブルートレインにはじめて乗った時のことを思い出した。
それは昭和40年、大学受験のために上京した時である。
寝台特急に乗り、博多駅から東京へと向かった。
東京へ行くのも初めてだし、まして入学試験に向かうこともあり、緊張の中での旅であった。
ゆれる列車でほとんど眠ることもできず、停車する毎にそっと窓から駅の様子を見たものである。何か全く違った世界への旅立ちの様な気持ちであった。
そして着いた東京は、人があふれ、田舎生活しか体験のない私にはすれ違う人の群れにまっすぐ歩くことができなかった。
そのあまりに多い人の群れに気分が悪くなり、急いで宿舎の旅館へ向かったものである。
それから約10年は帰省するたびにブルートレインを利用した。
しかしやがて帰省もいつの間にか飛行機にかわった。
ブルートレインは私にとっては青春時代そのものである。