日も長くなりこのところすっかり春めいてきた。
そして今日はスポーツデーの一日であった。
女子ゴルフの開幕戦、Jリーグで地元川崎フロンターレの第一戦(残念ながら引き分け)、大相撲春場所の初日・・・。
中でも何といっても名古屋国際女子マラソンには大いに注目していた。
高橋尚子選手が久し振りに出場し、北京オリンピックを目指す姿が見られるからである。
中国雲南省の昆明などでの厳しい高地トレーニングを積んできたのだという。
その姿をTVで見ていて何とか北京オリンピックでもう一度走って欲しいと思ったものである。
私は移動する車の中でラジオ放送に耳をかたむけた。
昨日の会見でも笑顔で「今からワクワクしています」と述べていた。
私も高橋選手の走りにワクワク、そして期待をしていた。
しかし、レースは全く予想だにしなかった展開となった。
何と9km地点から遅れはじめ最後まで彼女らしい走りをみせることはなかった。
残念の一言である。
多くの人達の期待を一心に背負った中で、思うにまかせない走り・・・、彼女は一体どんな思いで走りつづけたのだろうか・・・その2時間45分あまりの時間は高橋選手にとってどんな時間だったのだろうか・・・。
など、重い気持ちでレースの放送を聞いた。
夜、TVでレース直後の彼女のインタビューを見た。彼女はいつもと変わらぬ笑顔であった。もちろん心なしか少しさびし気でもあったが・・・。
私はそこではじめて半月板の手術をしたことを知ったが、同時に「毎日毎日、命をかけて頑張ってきました。マラソン選手で本当に良かった。くじけそうになった時あきらめさえしなければ夢がかなうと自分に言い続けてきました。そしてその事を現実のものとして示したかった。今日のレースでその事を示せなかったことは残念です」と述べた。
心をうつコメントであったし、すごい人だなと思った。こうした彼女の生き方は優勝以上に胸をうつものであり、いつの間にか私は今日の春風の様に、さわやかな気分になった。