朝、そして夜ともなると少し肌寒い秋の深まりを感じる三連休であった。
市内では多くの行事が開催され、どこも多くの人でにぎわっていた。
この熱気で景気も良くなったらいいなと思うくらい、どこに行っても活気にあふれていた。
そんな中、小さい心和む出会いがあった。
新丸子駅周辺で開かれた「阿波踊り大会」でのことである。
いくつかの「連」の見事な踊りを見ていた時、突然出番を待っていたかわいい小さな女の子が私の方に近寄ってきた。
私を見上げて「おじさん!私の踊りみててね」と言った。
あまりの突然のことに少しとまどいながら笑顔で「わかった。よく見ているからしっかり頑張って踊るんだよ」といって送り出した。
5才だというその女の子は頭に飾りをつけ、立派に一通り大人と一緒に踊って戻ってきた。
「かわいく、うまく踊れていたよ」と声をかけたら、うれしそうに「ありがとう」と応えた。
それから数時間が経った。
私は川崎駅で駅頭の辻立ちを仲間としていた。
その時、突然足下に「あっ!さっきのおじさんだ!」といって女の子が飛びついてきた。
よくみるとあの阿波踊りの子に似ている。
「さっきの阿波踊りの女の子?」とたずねたら、また笑って「そうよ」と応えた。
とにかくその笑顔がとてもかわいい女の子である。
この川崎駅の人ごみの中でよく私を見つけてくれたものだとうれしくなった。
手をつないで両親とスキップしながら雑踏の中に消えていった。
心が和む小さな出会いであった。