日本郵政が計画している「かんぽの宿」をオリックスグループの不動産会社へ一括販売する計画に鳩山総務相が「待った!」をかけている。
昨日大臣は日田市の「かんぽの宿」に一泊した。
そして「地域の文化や風土に合った宿であって欲しい」と語った。
そもそも鳩山総務相は「オリックスの総帥である宮内氏がかつて小泉政権時代、政府の総合規制改革会議議長などを務め、公営宿泊施設の民営化や廃止を積極的に推進した」ことなどから「その人の会社への売却は道徳や倫理の点で問題あり」としている。
この判断は問題であるとして、大臣への批判もあるのは理解できなくもない。
しかし私はあえて鳩山総務相の判断を評価し支持するものである。
それは昨年12月7日の私のブログ(派遣労働法の本質的な問題-私の国会闘争-)に述べたことによるものである。
即ち、この総合規制改革会議の議長の宮内氏や奥谷氏を中心とした委員達が規制改革を自分たちの利権にしたことである。
私はそのことが労働者派遣法でいやというほど実感したのである。
12月7日のブログの内容に更に付け加えるならば、その後派遣会社のザ・アール社長の奥谷氏は宮内人脈の一人である生田氏が総裁であった日本郵政の社外取締役に就任し、しかも何とその日本郵政の社内研修を受託したのである。
ここまでくるともうあ然とするばかりである。
経営者としてそれこそ矜持の問題である。
外から見守っていくという姿勢が本来であろう。
「理にかない、法にかない、そして情にかない」という言葉を思い出した。
理論上正しく、法的にも問題ない政策や判断も、人の情に合致しなければ本物ではないという意味である。
少なくとも今回の「かんぽの宿」をオリックスグループに一括売却することは、私からすると人の道に背くことようなものである。
こうしたことが平然と蔓延る社会にしてはならない。
鳩山総務相の大岡裁きに期待したい。