新しい年が明けた。
正月は好天に恵まれた。
私も箱根駅伝の応援に出かけたり、街宣車で地元の正月の挨拶まわりをしたりとあっという間に正月も過ぎてしまった。
そして今日は成人の日。
晴れやかに着飾って成人式に出る若い人たちで駅周辺は早朝からにぎわっていた。
来週はいよいよ米国のオバマ新大統領の就任式が行われる。
しかし先日新聞を見て驚いた。
何とその就任式に200万人から500万人が参加するというのである。
全く想像できない人数である。
何がそこまで米の国民を駆り立てるのだろうか。
大統領の予備選の頃から、あの驚異的な献金額にも驚いたが・・・
もし日本で同じような形で総理大臣の就任式やるとしたら一体どれだけの人が全国から集まってくるのだろうか。
米の10分の1、即ち20万人も参加するとはとても思えない。
もちろん国民が直接選ぶ大統領と国会議員が選ぶ総理大臣という違いはある。
が、それにしてもこの米国民のエネルギー、情熱、行動力のすごさには敬服するしかない。
今朝の朝刊は各紙世論調査の結果を報じている。
麻生内閣の支持率はまた低下し多くの調査で20%を切ってしまった。
国民から完全に遊離してしまったレッドカードをつきつけられた政権ということである。
年末の日比谷公園での派遣村以外は、我が国の国民の行動は怒りも含めて静かなものである。
この派遣切りの悲劇的な状況は、あらためて日本のセーフティネットがいかに整備されていないかを示している。
いまや日本は世界で派遣社員が最も多い国に変わってしまった。
そしてこの10年間で企業は短期利益第一主義、株主中心主義に変わった。
それまで日本の企業経営は「人間尊重」が根幹にあった。
この基本的な経営思想までもが変わってしまった。
まさにこうなった社会を「人を大切にする」「人の痛みを共有する」社会へと変革しなければならないと思う。
子どもの頃、寒風が吹く中でお百姓さんが黙もくと「麦ふみ」をする姿を見かけたものである。
まだ芽を出したばかりの麦も、厳しい冬に踏まれてこそ、やがて根を大きくはり力強く青々とした麦に成長していくのだという。
人間もまたこの厳冬の時の“麦ふみ”が、成長する上で欠かせないのではないだろうか。
身を刺す様な冷たい風の中で、遠い昔の“麦ふみ”をするお百姓さんの姿を思い浮かべながら、今日もまた駅頭でマイクを握った。