雇用情勢が一段と厳しさを増している。
2月の完全失業者数は299万人である。完全失業者という定義からすると、実際の失業者はその倍の約600万人近いのではないかと言われている。大変なことである。
一口に299万人というがその一人ひとりにとってみると本当に苦しい日々であると思う。私もこの約4年間は失業した状況にあるから痛い程その厳しさは身に染みている。
だからこそ景気対策は何といっても生活の安定、その基本に雇用対策をおくべきだと思う。「雇用の安定なくして景気回復なし」、ということだと思う。この約5年間、日本の政治は財政再建の名目で社会保障費の圧縮をつづけてきた。こうした社会保障に関わるコスト負担は政府、企業、個人の三者で負担をしている。この三者の誰かが負担をしなかったり、軽くしたりすれば誰かがその分を負担せざるをえないというトレードオフの関係にある。にもかかわらずこの間まず政府がその負担を少なくしその分、企業と個人に負担をおしつけたのである。
その結果、社会保障の多くの分野で必然的に個人負担、家計の負担が増大してしまったのである。医療、介護、障害者福祉などあげたらきりがない。お金がなければ医者にもかかれない、介護施設にも入れないなどということが現実におきているのである。
これでは景気は落ち込む一方である。今回の金融危機の発生源である米国よりも日本の方が景気悪化が深刻だというのもこうしたことが最大の原因だと思う。ところが昨日政府は何と又従来型の官僚主導の15兆円に及ぶ追加経済対策を決定をした。この財源も又結局は苦しい生活をしいられている国民の負担となるのである。
何故、国民の生活の安定、安心に直結する政策をとらないのであろうか。まして1年や2年限度の政策が多い。1、2年限りの政策ならばなおさら私たちの負担減につながる減税などの政策をとるべきではないだろうか。
定率減税はあっという間に廃止されてしまったままなのに生前贈与税の軽減等がもりこまれた。どうみても富裕層優遇である。
いつも国民は政策の脇役でしかない。
やはり政権交代が必要である。