今日はまさに爽やかな五月晴れ。
ソフトボール大会の開会式にでたあと、今年で13回目となる中原街道時代まつりの式典に出席をした。中原の武蔵小杉周辺は住んでみたい町として今最も人気のある町である。再開発がどんどん進んでいる。そんな町であるが故に長い歴史を知り、学び、良き伝統や風習は継承していくことが大切だと思う。
この時代まつりにはそんな願いや思いが込められている様に思う。昨年から会場が国際交流センターになったこともあり、今年は女子留学生の皆さん約15人ほどが艶やかな振袖姿で出迎えてくれた。米国、中国、韓国、ベトナム、フィリピン、インド、ネパール、エチオピア、ロシアなど本当に多くの国の若い留学生である。
ところで先日、民主党の政策調査会の厚生労働部門会議に呼ばれた。
政策調査会の会議に出たのは本当に久し振りである。以前、政策調査会長代理を務めていた頃はほぼ毎日多くの会議に出席をして、党の政策の取りまとめに汗をかいた。当時のことを思い出しながら「雇用政策」について私なりの意見を述べた。
私は今の政府の雇用政策については大きな懸念を抱いている。10年前の野党時代、党のネクストキャビネットの雇用担当大臣の頃とほとんど同じ状況にある。当時の小泉政権では「日本は解雇することが厳しいから雇用が増えない。従って雇用しやすい解雇ルールを作るべきだ」という経営側の主張が堂々とまかり通っていた。即ち、使用者側の自由や権利の拡大のみが雇用政策の基本となりその考え方に沿った「解雇ルール」が法案として国会に提出された。私は人をまるでモノ扱いにするかのようなこの法案に徹底して闘った。
そして、国会での論戦を通して、政府提案のいわゆる「解雇法案」を撤回させ、私自身が提案した新たな法案が全会一致で成立するという国会史上画期的な成果をあげることができたのである。成立した法律は現在の労働契約法第16条そのものである。今からちょうど10年前の2003年6月27日のことである。
私は現在政府の産業競争力会議の雇用制度改革についての公式の文書の中に「・・・多くの大企業では人材の過剰在庫を抱えている」という表現が堂々と記述されているのにはただただ驚くと同時に愕然とした。人材を過剰在庫という表現をして何らはばからない人達が堂々と雇用政策を議論しているのである。
翻って、この連休中に全国の書店員が「もっとも読んで欲しい本、最も売りたい本」として今話題の「海賊とよばれた男」を読んだ。心から感動した。出光興産の創業者出光佐三さんをモデルとした本である。その中で何度もくり返し出てくる出光さんの生涯貫いた信念は「最大の財産であり命がけで守るものは社員である」ということである。
産業競争力会議のメンバーはこの本を読んで、どんな感想をもったのか聞きたいものだ。人材をモノ扱いをする企業や社会に未来はない。