横田ご夫妻がモンゴルでめぐみさんの娘のウンギョンさんと初めて面会された。ご夫妻は「奇跡的なことで大きい喜びです。この事をきっかけに日朝会談が良く進められ、全被害者救出のためになることを切望しています」とコメントをだされた。今日、横田滋さんと電話でお話をした。大変元気なお声を聞くことができた。ご夫妻の胸中察するにあまりある。安倍総理も「胸の熱くなる思いだ」と述べた。拉致問題の解決に弾みがつくことを大いに期待したい。
先週12日に大手企業労組に賃上げ回答があった。久しぶりにベアの回答があり昨年までと大きく様変わりした回答内容である。私は労使お互い様々な要因を考え抜いた厳しい交渉の結果の水準として高く評価したい。一方、この回答水準ははたしてデフレ脱却のキーである経済の好循環につながるかという点である。安倍総理は「景気回復を実感できる賃上げにつながらないとアベノミクスも政権も失敗に終わる」とたびたび危機感を口にしていた。そして「政労使会議」まで設置した。まさに企業に賃上げを総理が迫るという前代未聞の事であった。こうした観点から回答水準をみると昨年であればこの回答水準は文句なしである。しかし今年は昨年までと大きく変わっている。それは何といっても日銀の異次元の金融緩和による円安での物価上昇である。すでにこの1月末で昨年比1.3%アップさらに今年は来月からの消費税アップで3%を超す物価上昇が見込まれている。昨年までは物価が下落していたのでベアゼロ、定昇のみでも実質賃金は確保されてきた。従って昨年までと同じように少なくとも実質賃金を維持しようとすればベアは3%程度必要となる。ところが先週の大手企業の回答水準は0.5~1.0%である。これでは一時金のボーナスの増額はあるものの実質賃金は低下し(維持、確保ができず)経済の好循環に結びつくことは難しいと思う。まして先週の回答は、大企業かつ円安メリットで好業績の企業中心である。円安で厳しい企業や中小企業の回答はこれからである。またいわゆる非正規労働の皆さんの賃上げはどうなのか?などなど容易ではない。しかし、今やグローバル化経済にあってそもそも企業の賃上げに景気の好循環の全責任を負わせるかのごとき政府の姿勢は問題である。
それにしても安倍総理は日銀に異次元の金融緩和を迫り、企業経営者には賃上げを迫りながらデフレ脱却にむけた政府の責任である成長戦略の実行は未だにない事が最大の問題である。